ケヤキの冬姿 |
「冬の樹の 目で見る形と 影の差は 遠近法の 魔術が誘う」
葉を落として冬姿に変身して、丸い樹形の骨組みを天空に・そして濃淡のある影を地上絵として示しています(写真上・下)。大中小の枝を空へ向けて突き上げ、天空に球体の骨組みを描く見慣れた冬の姿は4月初旬まで続き、親近感の湧く光景となっています。一方の影のほうは・丸い樹冠が低い太陽の光で地面に投影されると、樹高は実際の2倍弱に伸びて・視点に近い枝ほど太くなり錯覚を生みます。樹冠に多い細い枝の影は薄く・中以上の幹の影が濃くて、意外に空間が多く・透き通った冬に相応しい地上絵を披露しています。空中に見る大中小の枝の冬姿と・斜めの光によって地上に投影された影とを比べると遠近法の魔術が働いて不思議な感覚に陥るものです。